Daryl Hall & John Oates「One On One」
LP『Rock'N Soul Part 1』RCA CPL 1-4858(1983)
 高校入学したてのある日、仲良くなった音楽好きの友達が3枚のアルバムを貸してくれました。1枚がThe Alan Parsons Project『Ammonia Avenue』、もう1枚がAztec Camera『High Land, Hard Rain』、そして3枚目がDaryl Hall & John Oatesのベスト盤『Rock'N Soul Part 1』でした。なんの脈絡もない3枚ですが、今思えば偏差値の低い田舎高校に通う16歳のセレクションにしてはまずまずのセンスだと思います。中でもHall & Oatesのベスト盤は聴きまくりました。とりわけ好きだった曲がこの「One On One」で、今でも時々無性に聴きたくなります。もともとは彼らの82年のアルバム『H2O』に収められていますが、さすがに絶頂期だけあってDaryl Hallが書く極上のメロディと艶やかな歌声、リズム・マシーンを使った浮遊感がたまらなく気持ちいい必殺のソウル・バラードに仕上がっています。その後、フィリー・ソウルやサザン・ソウルなどを聴くようになると、彼らのルーツが何となく見えてくるようになります。例えばマイアミ・ソウルの雄、Little Beaverの「Party Down」を聴いた時、そのリズム・マシーンの使い方やメロウでセクシーな雰囲気など「One On One」との共通性になるほどなと思ったものです。
 このベスト盤を初めて聴いた時は、まず「Private Eyes」や「Kiss On My List」などのロック・テイストの曲が好きになりましたが、今聴くと「I Can't Go For That」などのソウルの影響を受けた曲の方が古臭さを感じないのが面白いです。ちなみに「One On One」はDaryl Hallが自分の作った曲の中で一番好きな曲だそうです。自分にとって特別な曲を、作者自身も好きだと言ってくれるのは嬉しいものですね。