Colin Blunstone「Misty Roses」
LP『One Year』Epic 64557(1971)
 もう何年も前になりますが、Colin BlunstoneとRod Argentのライヴを観に行ったことがあります。The Zombiesのオリジナル・メンバーだったこの2人のライヴは、Zombiesのヒット曲はもちろん、ポップ・プログレ風味のArgentの曲からデリケートなColinのソロ、更にはColinがヴォーカリストとして参加しているThe Alan Parson's Progectの曲まで披露してくれて、ブリティッシュ・ロックの歴史の一端を俯瞰できる貴重な体験でした。そんなライヴの中で一番グッときたのがColinの71年のファースト・ソロ『One Year』からの「Misty Roses」。ライヴでは繊細なスモーキー・ヴォイスが際立つアコースティック・ギターのみのボサノヴァ・アレンジで歌われたナンバーで、こういう曲を聴くとZombiesの洒落た雰囲気はColinのヴォーカルに負うところも多かったのだなぁとつくづく思います。Tim Hardinが作ったこの曲のアルバム・ヴァージョンは、弦楽四重奏のサポートが入った気が遠くなるほどの美しいアレンジで、この曲に代表されるアルバム全体の気品溢れるムードは、まるで古いイギリス童話が原作の映画のサントラでも聴いてるかのようです。
 95年にソニーのキャンペーンで人気投票3位となって劇的なCD再発を遂げて以来、 Bell and Sebastianのメンバーがこのアルバムからの影響を公言していたり、橋本徹氏による人気コンピ『カフェ・アプレミディ・シリーズ』に必殺曲「Mary Won't You Warm My Bed」が収録されたりしたことから、ひっそりと歴史の陰に埋もれていた名盤から若い世代にも通用する魅力を持った定番アイテムとして変化を遂げたこのアルバム。
 『一年間』なんてタイトルが付いてるけど寒い冬の夜に1人で聴くのをお薦めします。