Carpenters「Hurting Each Other」
LP『A Song For You』A&M SP3511(1972)
 Carpentersのアルバム群から個人的に一枚選ぶとすれば、72年発表の2nd『A Song For You』でしょうか。もう全曲有名曲と言ってもいい位、とんでもなく"濃い"アルバムなのですが、更にその中から一曲を選ぶとなると僕の場合「Hurting Each Other」になります。ゆったりとした出だしから段々とドラマティックに変化していく曲調と、Karenの切々と歌いかけるヴォーカルは何度聴いても胸が締めつけられてしまいます。
 Ruby & The Romantics、Little Anthony & The Imperials、B.J. Thomas、Jeffrey Foskettなどとにかくカヴァーが多く、どのヴァージョンも素晴らしいのですが、やっぱり僕は最初に聴いたCarpentersのヴァージョンが一番好きです。オリジナル・アーティストは諸説ありますが、Jimmy ClantonとThe Guess Whoの前身バンドであるChad Allan & The Expressionsが共に65年に発表していますので、そのどちらかになるのではないでしょうか。この曲を作ったのがGary Geld & Peter Udellという作曲家コンビで、ポップスの深い森を探索している人なら必ずブチ当たるといっていい、隠れた名曲生産コンビと言えます。
 このアルバムは他にもCarole Kingの「It's Going To Take Some Time」、泣きのギター・ソロが素晴らしいRichard作「Goodbye To Love」、同じくRichard作で日本盤のタイトルにもなった「Top Of The World」、Leon Russellの「A Song For You」、そしてトドメのRoger Nichols & Paul Williamsの「I Won't Last A Day Without You」と、これでもかと名曲が続きます。