Les Paul & Mary Ford「White Christmas」
EP『Christmas Cheer!』Capitol EAP 1-543(1955)
 大学時代にバイト先で知り合った泉谷しげる似のオジサンは、カントリーやオールド・アメリカン・ロックが大好きで、僕がバイトを辞める時に6本の自作のテープをくれました。そのテープの内容は、その後の僕の音楽嗜好を決定づけるような素晴らしい曲のオンパレードで、中でも特に気に入ったのがLes Paul & Mary Fordの「The World Is Waiting For The Sunrise」でした。それからというもの、自分にとってLes Paulとはギブソンのギターではなく、あくまでも"& Mary Ford"なのだという非ロック的認識を持っているわけですが、このクリスマス・7インチ『Christmas Cheer!』をパリの蚤の市で見つけた時も、その秀逸なジャケット・デザインを吟味するのも忘れ、喜んでレジへと持っていったのでした。「Jingle Bells」「Silent Night」「White Christmas」「Santa Claus Is Coming To Town」の4曲入りで、その内「Jingle Bells」と「Santa Claus Is Coming To Town」がLes Paulのギター・インストで、「Silent Night」「White Christmas」が奥さんMary Fordのヴォーカル・ナンバー。Les Paulのギター・インストは特徴的な金属音がたまらなくキュート&ストレンジ。でも一押しはやはりMary Fordのヴォーカル・ナンバーでしょう。特に「White Christmas」は甘いヴォーカルにとろけるようなグット・タイミー・サウンドが何ともロマンティック。「Silent Night」ではよく聴くと、Mary FordのヴォーカルのバックにLes Paulのギターによるサウンド・コラージュ(雪降る音の如くジュワジュワジュワ…)が小さく鳴っていたりして、さすが元祖音響派!と唸ってしまいます。宅録度の高いLes Paulのソロよりも、やっぱりMary Fordとのオシドリ録音の方があったかくて好きなんですよね。