Bobby Vee「Each Night」
LP『Bobby Vee With Strings And Things』Liberty LRP-3186(1961)
 Ann Margret 「Hey Little Star」、Darlene Love「Winter Wonderland」、Alder Ray「Cause I Love Him」、The Angels「Why Don't The Boy Leave Me Alone?」、 Brian Hyland「The Joker Went Wild」、Gene McDaniels「Point Of No Return」、Gary Lewis & The Playboys「Sure Gonna Miss Her 」…。
 これらの曲にはクリシェ的メロディを多用しているといった点で共通するパターンがあり、これをやられると僕は確実にツボにハマってしまいます。このBobby Veeの「Each Night」も、上記の曲たちと同じパターンのイントロが軽快な、弾けるようなナンバー。この曲が収録されているアルバムは彼の名を一躍有名にした「Take Good Care Of My Baby」のヒットを出すちょっと前の、彼にとって3枚目の作品。Goffin & Kingの名曲「How Many Tears」や、Ritchie Valensの「Donna」にそっくりな「Laurie」、Buddy Hollyの「Peggy Sue」風アレンジの「Diana」など、ドリーミー・ポップスの見本市のようです。プロデューサーのSnuff Garrettが作り出すリバティ・サウンドの素晴らしさも特筆もので、アタックの強いリズムと煌びやかなストリングスというリバティの特徴がこの時点ですでに確立されていますが、このBobby Veeで展開した手法をアレンジャーのLeon Russellらと共に更に推し進めて、目くるめくポップス・ワールドを完成させたのが、後のGary Lewis & The Playboysと言えるでしょう。前述した好きな曲リストにリバティのアーティストが多いのも偶然ではなく、その理由は中学生の頃に毎日聴いていたナイアガラ・サウンドとの繋がりにあると思いますが、リバティとナイアガラの関係はまた別の稿でいつか。