『乙女の祈り』
「Heavenly Creatures」(1994年 ニュージーランド/アメリカ)
 1954年にニュージーランドで実際に起こった衝撃の事件を映画化した作品。ロマンチックな邦題に反して、結構グロい内容は監督ピーター・ジャクソンの資質でしょうか?空想の中に存在する粘土王国の映像も秀逸だし、美しさと残酷さが同居するケイト・ウィンスレット(当時19歳!)の存在感も必見です。
 ケイト・ウィンスレットって好きな女優なんです。すごく気品がある顔立ちなのに、どこか"やさぐれた感"が漂っている所が好きです。本作『乙女の祈り』で初めて彼女を観た時から「この娘、伸びるよ〜」と映画仲間に言いふらしてたら、何と『タイタニック』(97年)に大抜擢。しかもそれまでスプラッター系オタク監督だったピーター・ジャクソンまでが『ロード・オブ・ザ・リング』(01年)で大ブレイク。当時『乙女の祈り』を観て妙な高揚感を得た理由は、悪趣味一歩手前のファンタジックなピーター・ジャクソンの演出と、キレ気味なケイト・ウィンスレットの怪演のせいであり、そういう意味では本作は、花開くことが確実だった才気が充満していた作品であると言えるかも知れません。
 『タイタニック』のブレイク後も1本筋の通った良品に出演し続け、ハリウッドの俗的なカラーに染まっていない彼女。ジム・キャリーとの不思議な恋愛劇で話題となった『エターナル・サンシャイン』(04年)でも「一筋縄ではいかない、ちょっとやさぐれた女」を好演していて、やっぱりいいなと思いました。今のところ最新作である『愛を読む人』(08年)で遂にアカデミー主演女優賞を獲りましたね。まだ観ていませんが、今度はどんな演技を見せてくれるのか楽しみです。