『トレマーズ』
「Tremors」(1989年 アメリカ)
 ネバダ州の砂漠の小さな街に突如出現した巨大地下生物と住民との戦いを描いているので、『ジョーズ』(75年)の砂漠版といった趣。海からの怪物には陸に逃げればいいけど、だだっ広い砂漠地帯の地中から現れた怪物にはどう対処すればいい?って所が本作のミソで、小さい頃「高オニ」っていう地面より高い所に乗ったらオニに捕まらないという遊びがあったけど、まさしくそのバカバカしいスリルが2時間続きます。悪役である"グラボイズ"という名の巨大ツチノコの造形が秀逸で、10メートル強の細長い身体の先端に付いている口から数本の長い触手が伸びてきて人間を襲います。どことなく東京コミックショーの「レッドスネーク、カモン!」を彷彿とさせるアナログなB級テイストが、第2の『ジョーズ』や『エイリアン』(79年)には成り得なかった原因ですが、この"怖いのか可笑しいのか分からない感覚"は後のタランティーノ一派の作品などに受け継がれている気がします。
 なんと本作はシリーズ化され『トレマーズ4』まで作られました。『2』(95年)ではグラボイズに子供(イノシシっぽい)が産まれて襲撃され、『3』(01年)ではグラボイズが進化し空を飛んで(チープな『ジュラシック・パーク』風)襲撃され、『4』(04年)では遂にネタが尽きたか、西部開拓時代に遡って当時の人々が襲撃されます。『4』では「実はグラボイズは○○だった!」というタネ明かしに期待したのですが、結局最後まで正体は明かされずじまい。そんなことはハナっから考えていないのか、いいアイディアが浮かばなかったのかは分かりませんが、謎は謎のままの方が面白いという、ある意味清い制作意図が貫かれた本シリーズ、熱狂的ファンが多いというのも分かる気がします。ちなみにケビン・ベーコンは『1』にしか出ていないのでファンの方はご注意を!