『ある日どこかで』
「Somewhere In Time」(1980年 アメリカ)
 『スーパーマン リターンズ』(06年)をテレビ放映で観ました。相変わらずの荒唐無稽なストーリーに「やっぱスーパーマンはこうでなくちゃね」とニンマリ。前シリーズのジーン・ハックマンを意識したケビン・スペイシーの悪役振りも痛快でした。ただスーパーマンというと僕らの世代はどうしてもクリストファー・リーヴを思い出してしまいます。C・リーヴは前シリーズの4作品全てでクラーク・ケントを演じた俳優で、スーパーマンの代名詞のような存在。1995年に落馬事故で脊髄を損傷し、首から下が麻痺するという悲劇に見舞われました。その後はリハビリをしながらテレビなどで俳優を続ける一方で、妻のディナと施設を開設し麻痺に苦しむ人達のための支援活動にも専念していましたが、2004年、麻痺に伴う合併症の悪化により帰らぬ人となりました。
 そんなC・リーヴの主演作品の中で、個人的にスーパーマン・シリーズよりも思い入れの強い作品が『ある日どこかで』です。劇作家の青年が、古いホテルで見た1枚の肖像画に心奪われます。1910年代に活躍したその美人女優に会いにいくために青年は時間旅行を試みるという、一種のタイム・トラベルもの。その過去に戻る方法というのが面白く、古いホテルの一室で行きたい時代の服や物を身に付け、ひたすら自己暗示をかけ続けるというかなり強引かつアナログな方法。そんな「脚本上どうなのよ」という点は、その後の彼女との狂おしいまでの大恋愛が展開されるストーリーに全く気にならなくなります。実にロマンティックで品のいい作品ですので、ぜひ多くの方に観て頂きたいと思います。舞台俳優や演技派俳優を目指していたC・リーヴは、『スーパーマン』のような娯楽作品よりも本作のような味わい深い作品の方が性に合っていたかもしれませんね。