『アメリカン・グラフィティ』
「American Graffiti」(1973年 アメリカ)
 1962年のカリフォルニア北部の田舎町を舞台に、ハイスクールを卒業し東部の大学へ出発しようとする若者たちの最後の一夜を描いた青春映画です。恐らく年代的にも監督ジョージ・ルーカスの経験を元に描かれたと思われ、今観るとどうってことのないエピソード群なのですが、時代という個性の中で何気に出てくる言動が60'sポップス好きのツボを刺激しまくります。例えばナンパのセリフが「君、コニー・スティーヴンスに似てるって言われない?」だったり、ビーチ・ボーイズがラジオから流れてくると「サーフィンは嫌いだ。ロックはバディ・ホリーで終わったんだ」などと言う奴がいたり(ちなみにそのセリフを言うジョンは黄色いデュース・クーペに乗っている!)。
 この映画には40曲以上のオールディーズが使われていますが、一番好きな曲はダンス・パーティのシーンで演奏される「She's So Fine」という曲。昔からこの曲のオリジナルは誰か?という個人的な謎がありました(サントラのライナーにも不明と書かれています)。映画でもサントラでも、シャ・ナ・ナ同様70年代のオールディーズ・リヴァイヴァルの時に活躍したFlash Cadillac & Continental Kidsなるグループが演奏していますが、作曲者クレジットを見るとそのメンバーの名が。恐らく映画のために作られたオリジナル・ナンバーなんでしょうね。
 そんなコアなトリビアはいいとして、この映画のヒットによって獲た資金でルーカスは次作『スター・ウォーズ』(77年)に着手します。大ヒット監督の道を歩んでいく前夜に、青春の想い出との決別テーマとして選んだ本作のエンディングがビーチ・ボーイズの「オール・サマー・ロング」。出来すぎ!