『パーティ』
「Party」 (1968年 アメリカ)
 ブレイク・エドワーズ監督&ピーター・セラーズ主演&ヘンリー・マンシーニ音楽という黄金トリオの作品の中ではハチャメチャさ、バカバカしさが一番の怪作です。初めて観たのはかなり前のテレビ放送でしたが、最近久々に観直して思ったのは、これ、ジャック・タチをやりたかったんですね。1人のお呼びでない男が巻き起こす騒動をシュールに描き続けるというアイディアはタチ映画そのものだし、前年公開された『プレイタイム』のレストランでの乱痴気騒ぎとかなりダブってます。タチ映画のエスプリの代わりに当時流行のインド風味を加味したりしてますが、アメリカ映画特有の大味感は否めません。『ティファニーで朝食を』(61年)『酒とバラの日々』(62年)『ピンクパンサー』(63年)とヒット作を連発し、やりたいことをかなり自由にやれていたブレイク・エドワーズが、ノリに任せて作った1本といったところでしょうか。
 とは言っても見所は沢山あります。60'sポップス・ファンにはクロディーヌ・ロンジェの美麗な姿が拝めるのは何とも魅力的。彼女が「Nothing To Lose」をギター1本で歌うシーンは本作のハイライトでしょう。この曲の作曲はもちろんヘンリー・マンシーニ。個人的に彼の手掛けたサントラでは『シャレード』や『ミスター・ラッキー・ゴーズ・ラテン』を抑えて堂々No.1の聴き込みを誇る本作、音楽の成果が映画を上回ってしまったという好例です。タイトル曲のフラワーなグルーヴィ・ロックから、ハリウッド産イージーリスニング、インド風マーチ、ソウル・ジャズまで何でもあり。中でも「Party Poop」という曲は、ジミー・ロウルズ(ピアノ)らが参加したウエストコースト・ジャズに女性スキャットが絡む最高にお洒落な1曲。これぞ華麗なるマンシーニ・タッチ!!