『冒険者たち』
「Les Aventuriers」 (1967年 フランス)
 本作を初めて観たのは70年代後半だったと思います。同じくアラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』(60年)もそうでしたが、テレビの洋画劇場で家族と一緒に観た記憶があります。その時の印象も強烈でしたが、青春真っ盛りの大学時代に観直した時の方がより鮮烈な印象を残し、心の1本となりました。
 それにしても何と絵になる3人でしょうか。水も滴るいい男のアラン・ドロン、強さの中に優しさが覗くリノ・ヴァンチェラ、そしてレティシア役のジョアンナ・シムカスの目映いほどの可愛さ。男2人、女1人という三角関係を扱った物語は星の数ほどありますが、本作のそれは"正三角形"と言えるほどに完璧です。最初に観た時、レティシアはなぜカッコいいアラン・ドロンではなく、リノ・ヴァンチェラを好きになったのかと不思議に思いましたが、恋愛の機微が分かりかけた大人になってから観た時、何となく分かった気がしたものです。そんな切ない恋愛模様を織り交ぜながら、何からも縛られず自由奔放に生きる彼等の、目に痛いほどの眩しさが永遠の青春映画たり得ているのでしょう。
 そんな物語を美しく彩るのがフランソワ・ド・ルーベの音楽。初めて観た時からあの切ない口笛の響きがずーっと頭にこびり付いていました。東京ではド・ルーベのレコードは高価で手が出ませんでしたが、パリに行った際、郊外の蚤の市でド・ルーベのアナログ作品集2枚を安価で見つけた時は飛び上がって喜びました。未だにiPodのシャッフルでこの口笛のテーマ曲が流れると、瞬時にして映画の舞台であるコンゴの海辺が目の前に甦ってしまいます。