『エリザベスタウン』
「Elizabethtown」 (2005年 アメリカ)
 本作の監督キャメロン・クロウとは、彼の初脚本作品『初体験リッジモンド・ハイ』(82年)を中学生の頃に観ているので(フィービー・ケイツの裸しか覚えてないけど)結構長い付き合いになります。『シングルス』(92年)も好きな映画だし、『あの頃ペニー・レインと』(00年)では大好きなエルトン・ジョンの「タイニー・ダンサー」をフィーチャーしてくれて大感激、『バニラ・スカイ』(01年)に至っては冒頭シーンでいきなり『ペット・サウンズ』のジャケが写ったりポール・マッカートニーを主題歌に起用するなど、ポップス魂をいつも刺激してくれた監督でした。本作でも、主人公の傷心旅行を手助けするために旅好きの彼女がプレゼントした物として、アメリカ中の音楽名所を記した地図と、そこにゆかりのBGMを詰め込んだCDがセットになった"BGM用CD付き音楽地図"なるものが登場。音楽と旅行が好きな自分のような人間にとってこの必殺アイテムはかなり強力で、それまでのちょっと雑なストーリー展開への不満等は一掃されてしまったほど。音楽の力を信じているクロウならではの脚本・演出にまたもや感動してしまいました。
 クロウ監督は音楽好きの同志、トム・クルーズから絶大な信頼を得ています。以前2人はフィル・スペクターの伝記映画の製作を計画していたらしいですが、個人的に彼らに映画化して貰いたいのはルイス・シャイナーの小説『グリンプス』。ステレオ修理屋の青年が60年代にタイム・スリップしてブライアン・ウィルソンに出会い『スマイル』の制作を手助けしていくというストーリーは、ビーチ・ボーイズ・マニアの2人にぴったりだと思うのですが。