『ドリームガールズ』
「Dreamgirls」 (2006年 アメリカ)
 『シカゴ』(02年)の脚本を務めたビル・コンドン監督が伝説のブロードウェイ・ミュージカルを映画化した作品です。ジェイミー・フォックス、ビヨンセ等、豪華なキャストが結集、中でもジェニファー・ハドソンが素晴らしい歌と演技を披露しアカデミー助演女優賞を受賞したのは記憶に新しいところ。
 60年代に一世を風靡したモータウン・レコードをモデルにしたバック・ステージ物で、ビヨンセがシュープリームスのダイアナ・ロス役…という音楽好きには到底無視できない前情報だけで興奮し、公開初日に観に行ったのを思い出します。ショウビズ世界の光と影や人種問題を巧く織り交ぜながら、ビヨンセやジェニファー・ハドソンらの迫力ある歌で紡いでいくストーリーは、王道でありながらも実に奥深いものでした。そして60年代の音楽をこよなく愛す者としては、キャラのディティールに俄然注目。ジェイミー・フォックスはどう見てもベリー・ゴーディJr. だなとか、大好きなスモーキー・ロビンソンはこいつかな?とか、そういう想像が楽しいのです。さすがはエンターテイナーと感心したのがエディ・マーフィで、最初ジャッキー・ウィルソンあたりで出てきたと思ったら、途中からジェームス・ブラウンっぽく変身、最後はマーヴィン・ゲイになっていたという、器用なソウル・マン七変化を見せてくれました。
 もともとは80年代に大ヒットしたミュージカルなので、曲にはストーリーを伝える目的を含んでいて、期待した程には純粋な60's〜70's風ソウル・ナンバーは少なかった気がします。色々と制約的に難しかったのかも知れませんが、個人的にはもっともっと下世話に近づけた"なんちゃってモータウン・ソング"を聴いてみたかったです。