『50回目のファースト・キス』
「50 First Dates」(2004年 アメリカ)
 主演のドリュー・バリモアは、『スクリーム』(96年)の冒頭シーンを観て以来気になる女優。バタ臭い顔の作りも結構好みです(オセロ松嶋とかも同じ系統だと思う)。マイ・フェイヴァリット・ムービー『素晴らしき哉、人生!』(46年)にも出演しているライオネル・バリモアを大伯父に持つ名門バリモア一家出身にも拘わらず、9歳で飲酒、10歳でマリファナ、14歳で自殺未遂、2度の結婚&離婚など、本当はファースト・キス云々といった清純なイメージとはかけ離れた人生を歩んできた彼女。しかしそんな暗い過去から生まれる笑顔だからこそ眩しく輝くのかも知れません。
 そんな彼女のラヴコメ・シリーズの中でも一番のお薦めが『50回目のファースト・キス』です。交通事故に遭って以来、前日のことを全て忘れてしまうという短期記憶喪失障害を持つ女性に一目惚れしてしまった男。出会ったその日のうちに彼女と親密になっても、次の日はまた他人からやり直し。頑張って1日でベッドインしても翌朝絶叫と共に「あんた誰?」と言われてしまうのだから男としては切ないです。『ウェディング・シンガー』(98年)以来2回目の共演となるアダム・サンドラーがそんな切なさと可笑しさを好演、ハワイの美しい景色も見所の実に爽やかな作品です。ファレリー兄弟の『2番目のキス』(05年)でも劇中でハリケーン・スミスの「オー・ベイブ」が使われていたりして、ドリュー主演の映画は使用楽曲のセンスが良いのも特徴。本作でもビーチ・ボーイズの「素敵じゃないか」をストーリーに巧く絡ませてました。そう言えば『25年目のキス』(99年)でもラストに「ドント・ウォリー・ベイビー」が使われていました。ひょっとしてドリューはビーチ・ボーイズ好き?